着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

子供用着物

七五三参り - 四つ身祝いのお着物


素晴らしい七五三参りの子供用着物です。大変可愛らしい四つ身祝いのお着物です。
成人式の振袖の絵柄にも出来そうな豪華な七五三参りの着物を仕立てました。
子供用に作られた四つ身着物なので、仕立てをする際の裁ち合わせもちゃんと決まっており、後ろ身頃から衿を取り、前身頃ではつまみ縫いをしてオクミを作り、衿巾の不足は裏衿をつけて補う、教科書通りの何の工夫もしないで仕立てれる着物ですが、模様がダイナミックで仕立て上がりの着物全体のバランスを、仕立ての出来栄えを、この着物の染めた友禅の匠に試されてるような気にさせられます。
図柄は器物文様の束ね熨斗が描かれています。器物文様とは古くからの筆や巻物などの文房具、陶器類、茶道具、筆箱、扇、短冊、色紙、御所車、組紐などなど、(道具を大切にする日本独特の文様です。)あらゆる道具などが文様化されたもののことをいいます。この子供用着物に描かれている束ね熨斗は、アワビの肉を薄く剥いで引き伸ばし、紙の間に挟んで祝儀の進物や引き出物に添えたのが始まりです。それを細長い帯状に文様化したのが熨斗文様で、多くは数本を束ねた束ね熨斗をして表します。吉祥文様として礼装用の着物をはじめ様々な日本古来の装飾品に使われています。このお着物の束ね熨斗文様の熨斗1本1本の中にも色々な吉祥文様がたくさん描かれています。
写真(左)の左袖から、松、次に菊、格子、オシドリに流水、梅、亀甲に花菱、竜田川(流水に紅葉)、それと小桃に流水、菊尽くし、鳳凰と七宝など、吉祥文様尽くしです。ご両親様、祖父母様の愛情のこもっている七五三参りの着物のお仕立てをさせて頂きました。

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