着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

男物 事例9

僧侶様の着物


大阪の大きいなお寺の僧侶様の着物を仕立てました。
袈裟や法衣は特殊な仕立てなのですが、このお着物は普通の男着物の仕立て方で仕立て上げました。(女着物とは違い揚げ無し(カラ揚げ)の対丈で、左右両袖に振りが無く人形の振りの様になっている。)生地は縦糸と横糸がぎゅっと凝縮した羽二重の生地です。生地に針を使うときにとても気を付けないといけない生地です。京都のメーカー(問屋さん)からの取り寄せの反物です。
大変珍しい紋入れを【着物染み抜き専科】でさせて頂きました。
『紋を見本どおりの色で入れて欲しい』という注文です。京都の悉皆屋さんが断られたほどの珍しい紋入れの仕事です。家紋図柄も紋見本をお客様からお借りしました。家紋か沢山載っている家紋の本(紋典と紋鑑の2冊)にもこの紋は見当たりません。男紋ですので紋も直径が1寸の紋を背中に一つ、後左右両袖に一つずつ、前左右両胸にも一つずつの計5ずつ入れました。白地の羽二重で仕事着なのでガード加工も頼まれたのでしています。(ガード加工をしていると着物の汚れが綺麗に取れ、お手入れにかかる費用が安く済みます。)春夏秋冬、年中、白色のそれも単衣仕立ての着物(冬はウール地で夏を麻の生地で)を着て仕事を為さってます。(仕事の時は着物だけではなく、色物の袴を一緒に着用されます。)家紋の入った着物と家紋の入って無い着物を常時3~4枚ずつ常備してあり、行事によって着替えるそうです。