着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

お仕立て事例 - 琉球絣の仕立て


沖縄の織り物です。沖縄全域で織られる絣織物を総称で、【琉球絣】と呼ばれています。日本本土の各地にある絣織物の源ともなっている重要な着物です。琉球絣の絣柄は素朴でシンプル、独特の味わいがあります。今回、仕立てた琉球絣もそんな逸品です。
絣柄が素朴でシンプルなのは、反物の時だけで、いざ、仕立てるとこれを着物全体に柄合わせるのは大変苦労が要ります。写真を見て頂くと分かると思いますが、柄が横に合わせてあるので、着物全体に絣柄が綺麗に整えられています。この柄合わせについてですが、まず、背中心の柄を決めます。そして、次に衿の背を柄と柄の中心に決め、身頃の肩山の柄を決めます。この時にくりこしと衿肩明によって、寸法が変わります。この方法で上前、下前共、衿と身頃がスッキリ合います。脇でも横を合わせるため、内揚げの分量は同じにします。身巾でも柄が綺麗になる様に、後巾から決めて、前身頃と衽の柄が合うように仕立てます。この絣着物は本当に綺麗に柄合わせが出来た、仕立て上がりでも逸品の着物になりました。

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