着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

仕立て直し

仕立て直し事例 - 仮絵羽訪問着を羽織に


仕立てる前の仮絵羽の訪問着です。本来ならこのまま訪問着に仕立てるのますが、この訪問着はお客様のアイデアで絵羽織に仕立てました。
生地は綸子地、染め色は銀鼠色(ぎんねず)で染まっています。銀色が入った鼠色です。絵模様は菊・梅・桜・楓の植物文様、菊や桜をコマに模った文様取り合わせ、コマとコマを回す組み紐、大きな桜の花びらの中にも、桜や菊、格子・幾何学文様が描かれています。
この訪問着の仮絵羽を解き、ハヌイをして、湯のし機で湯のしをして仮絵羽の折れスジをを綺麗に取り、そして、仕立てに掛かりました。この訪問着地の上前の絵柄を羽織にする際は下前の前に絵柄を持ってきました。訪問着の上前の胸の絵柄は羽織りの下前の後身頃にしました。訪問着の上前・下前の裾線が決まっていますので、ここのところで裾線のところまで前下がりを縫い、そこで返りを足しています。訪問着の袖はそのまま、羽織りの袖に使いました。羽織の衿は訪問着の時のオクミを使って柄の無い上前にオクミの柄を持ってきて仕立て上げました。
大変、楽しく柄付けと仕立てをさせて頂きました。インターネットでお値打ちの着物を購入されて、お客様のお気に入りのお着物を発想を変えて、この様な絵羽織や絵羽コートに仕立てて他の皆様の注目を浴びてみては如何でしょうか!ぜひ!お勧め致します!

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