着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

仕立て直し

表地の裏面を使って仕立て直し


ネット検索で私どもの仕立て直しのサイトがヒットして、仕立て直しを持って来られました。
20代の男性の持ち込みです。洗い張り済の男物麻着物の仕立て直しの注文が入りました。
お母さんが、お父さんの着物を洗い張りをして大事に取っていてくれたものです。花火大会に浴衣を着るとお母さんに相談したら『これを仕立て直して着たら?』と勧められたそうです。浴衣より着心地が良いですし、やはり麻ですので爽快で質感が浴衣とは全然違います。
この着物を仕立てに掛ろうと生地を検反したところ、色ヤケがひどく仕立て上げても着れる状態にありません。普通なら、お客様に連絡して、返却ですが、せっかくのお母さんのアドバイスになんとか、応えれないかと思案したところ、この生地、幸いにも表面も裏面をどち らも使える生地でした。裏面を検反しますと表地の色ヤケなど、所々、映っていましたが表地より、まったくひどくありません。着物の裁ち合わせでヤケが映っている部分は着用しても目立たないところにやり替えて、新品の様に思える単衣 の男物着物に仕立て直しました。このお客様のお母さんの思いに応えられたと思います。

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