着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

沖縄の美しい着物 琉球紅型の訪問着の仕立て


沖縄には南国情緒の豊かなデザイン(大和模様を大らかに沖縄風のデザイン)と南国独特の色使い(沖縄独特の原色に近い鮮やかな色目)の先染め着物の琉球染織と後染め着物の琉球紅型の着物があります。沖縄の着物は、その昔、琉球王朝時代に、その王族や士族達と共に発展し、その歴史は十五世紀まで遡ると言われています。

今回仕立てました琉球紅型の訪問着は、紅型宗家十五代 城間栄順作です。
城間家に伝わる伝統の技法。その技の伝承と代々の教えが守り伝えられ、伝統の技と配色を現代の感性で、洗練された作風が魅力の訪問着です。沖縄の眩しい太陽に映える、そして、遜色しない染料を工夫して使用した先人の知恵。顔料を用いることで、年月を経ても変わらぬ美しさを保つことが出来ます。

仕立てについてですが、上前衽(ウワマエオクミ)から、身頃、下前衽(シタマエオクミ)まで、絵柄が繋がって一枚の絵になるように仕立てています。そして、肩から右後袖、掛け衿と身頃、身頃から左前袖に向かって、梅の花、その小枝も途切れる事なく、流れるように柄を合わせています。裏は、ボカシ八掛けを使い、上前衽八掛け(ウワマエオクミハッカケ)の裾のほうに梅の花を描きアクセントになっています。
着用しやすいように衿下の長さも考慮して決めています。 衿下が長過ぎても短すぎても着崩れの原因になります。
お客様のご希望の寸法を重視し、綺麗に美しく仕上がっています。

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