着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

春を待つ雪持ち松文様の訪問着の仕立て


秋の終わりから、冬、そしてお正月から節分までの寒い期間は、大きな催し事や華やかな行事が目白押しの時期です。着物好きな皆様にとっては、装うきものにあれこれ思いを巡らせる、ワクワク、ソワソワ楽しい季節ではないでしょうか。
今回仕立てた着物は、控えめながら落ち着きのある配色。白茶色(シラチャイロ)、白っぽい茶色と、染料を筆につけ日本画のように表現した柄がたおやかな印象の場に与え、素描きで施した雪持ち松模様を配した訪問着です。品格があり、着こなし易い着物です。
雪持ち松とは、『ずしり』と松の枝に積もった雪が、雪の重みに耐える様をデザインしたものです。雪を跳ね返し立ち直る松の生命力が吉祥文様とされています。そして、春を待つ心が伝わる文様でもあります。

今回の仕立てについてですが、松の柄の付下げの仕立てで工夫したところは、シンプルで大胆な松の柄のため、松の柄の位置が(バランス)が重要になります。上前身頃から背にかけての柄の位置が、低すぎず、高すぎず、バランスを取ることで松の柄の見映えも違ってきます。シンプルな柄ほど、柄の位置が重要になります。

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