着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

白大島紬の仕立て


白大島紬は陶芸に使われる白工を水に溶かし、不純物や鉄分を沈殿させ、アルミ 質が残っている水で糸を染めます。これを何度か繰り返すうちに、糸が柔らかくなってきます。
織りには、緻密に柄を織っていくので、図案から完成まで半年以上掛かるものもあり、柄が細かいほど、高級になります。今回の白大島も、絵柄は幾何学模様もあれば、藤や撫子、蝶々の植物や昆虫文様など細かい絵柄です。
仕立てについてですが、裏地にぼかしの紬用の八掛けを使用しています。八掛けの色合いで、着物の 雰囲気が変わります。大島紬は、薄く柔らかいので、縫い易いように思われますが、安易に針を進める と仕上がりにビリ付きが残ります。それと表と裏を合わせる時、少し裏を緩めに合わさなければいけません。綺麗につり合って仕立て上げると着用後やしまい方によっては、表に袋が入ることがあり、どれほどのゆるみを入れるかは縫いての経験が必要になります。

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