着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

裾引きの仕立て

着物お仕立て事例 - 振袖比翼付き裾引き


大好きなおばあちゃんに買って貰った大切な振袖です。
結婚式の披露宴で祖母様にどうしても見て貰いたいとご相談を受けました。振袖比翼付き裾引きです。振袖の裾と比翼に綿を入れますと大変、豪華に見えます。(お客様とご相談して、金色の比翼を振袖につけました。)
お客様のご要望は、この大事な振袖をなるべく切ったり、張ったりせず、要はこの振袖の裾引きを元の振袖に戻せるように工夫して、振袖の裾引きに仕立て直して欲しいという注文です。
裾を引きずる為には丈を伸ばす必要があります。振袖の表地は身丈を伸ばすことは出来ても、今付いている裏地(八掛け、胴裏)では、思うように身丈が出ません。なので裏地は新しく用意しました。(今付いている裏地は元の振袖に戻す時に必要になりますので、残布としてお返ししました。)振袖の内揚げも取らずに身丈を出したかったのですが、ここも元の振袖に戻せる様にする為に取らざるを得なくなりました。くり越しも(うなじの部分)襟ぐりを大きく、広くする(振袖はくり越しは7~8分、それを振袖の裾引きは2寸~2寸5分)為に襟肩開きを切って広くしたかったのですが、出来ず、これも元の振袖に戻す事が出来るように工夫してあります。
振袖が豪華になり、大変、驚かれ、そして喜んで頂きました。ありがとうございました。

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