着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

仕立て直し

女物を男物絵羽織に


着物好きなお客様です。初めて、問い合わせ、仕立てをさせて頂いた『十徳』を気に入って頂き、今回は奥様の着なくなった付下げを男物の羽織に仕立て直してほしいと相談、ご注文を頂きました。
まずは付下げを全て解き、湯のしをしてから仕立てに掛りました。女物の柄位置が決まっている着物を絵羽織にするのは大変難しいです。それを男物に仕立て直すのはいろいろと工夫をしないといけません。羽織の柄付けですが、着物の後身頃の孔雀の絵柄を羽織の後身頃に持って来て、着物の右後袖も羽織の右後袖にしました。羽織の上前身頃下の部分に着物の上前身頃の絵柄を持って来て、今回は着物の上前裾のメインの絵柄は使いませんでした。メインの孔雀はよく見て頂くと分かりますが、丁度、顔の部分が衽にあり、身頃部分は羽根だけの絵柄になっています。なので、これを大きな絵柄を使うと羽織全体の雰囲気がぼやけてしまいます。
今回の柄付けですと前から見ても、後ろから見ても、ハッキリと孔雀の絵柄だと分かると思います。
女物付下げを粋な男物絵羽織に仕立て直しました。

←前の事例次の事例→