着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

絞り染め訪問着の仕立て


薄い黄色の地色に多色使いの絞り染め。 ウラウラとした春の陽気が心地良さが感じられる風景文様の訪問着です。
雪を被る高い山脈から、麓の山々などには折り縫い締め絞り(細やかでデリケートな線を表現できる絞り)を用い、松や笹、花などの草木には、染め分けの絞りで表現しています。絞りの技法を駆使し、風景文様に相応しい配色とその山脈の模様が絞りの凹凸の立体感で、たぐいまれな迫力感を出しています。絞りの歴史は、古く奈良時代から始まります。箔や刺繍などと合わせ用いることが多い絞り技法ですが、今回の着物は絞り染めだけで表現し作られた訪問着です。

この一つ紋入りの訪問着の仕立てについてですが、仕立てで注意したところは、普段は柄合わせを一番に重視しますが、今回は身巾が狭い方のため、柄合わせを重視ですると身巾が広くなり着用しにくい着物になってしまいます。そのため寸法重視で仕立てさせていただきました。
紋が入っているので、正式な所にも着用出来ます。

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