着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

鹿の子調絞り風着物の仕立て


江戸の粋と大正の華やぎを持つ着物を仕立てました。

鹿の子調のデザイン、豊かな風合いを持つ丹後ちりめんの「絞り風着物」。その最大の魅力は、総疋田絞り風の精緻な地風に、桜や菊、桐、そして宝尽くしを写した格式高い裂模様が美しく調和している点にあります。
この着物には、日本の伝統美の歴史が息づいています。裾廻りと褄下のみに柄を配した「褄下模様」は、江戸後期から明治の小袖によく見られた意匠。そこからは、華美を競うのではなく、内に秘めた贅を楽しむ江戸の人々の繊細で控えめな美意識が伺えます。

裾廻りと褄下のみの柄が美しく繋がるように一針ごとに注視して仕立てました。さらに右袖と裾から裾へと流れる大正ロマン調の意匠が装う方の立ち居振る舞いを品良く引き立てるよう、着物全体のバランスを見極めて仕立てました。

伝統的な吉祥文様が写し出す格調高さと時代を超えて愛されてきた洗練された構図は、袖を通した瞬間に日本の歩んできた美の軌跡が現代に鮮やかに蘇りました。この着物は装う方の立ち姿をどこまでも品良く、そして情緒豊かに引き立ててくれる逸品です。

|次の事例→|着物の仕立て|

▲