着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

百人一首柄の訪問着の仕立て


四季折々の豊かな自然に心を寄せ、数々の美しい和歌を詠み繋いできた日本。古来、私たちの先人は世界でも稀に見る意匠豊かな文様の世界を作り上げてきました。自然に寄り添う日々の暮らしの中から、生まれたその工夫と意匠は今も日本の伝統文様として現代の着物に深く息衝いています。

今回の訪問着はそうした古典文学の豊かな情趣に想いを得て、百人一首の雅な世界を贅沢に表現した至高の訪問着を仕立てました。
紅葉の流れのような柄の訪問着は、単なる自然の描写に留まらず、着る人に深い文芸性の香りを感じさせます。格式ある濃い紺色地をベースに砂色のボカシ染めで流れるような道長取りをリズミカルに表現。その中心には、職人の精緻な友禅染めで楓の葉を瑞々しく描き出し、さらに金彩友禅によって優美な楽器文様を添えました。
何よりも美しいのは、着物の上に散らすように配された墨文字の百人一首です。文学の薫り高い和歌がボカシの色調を重なり合い、まるで一幅の絵巻物のごとき情緒を描き出します。

万葉の古い風に誘われて、特別は日に雅を装う。工芸美と文芸性が美しく融合して職人の粋を尽くたこだわりの訪問着を仕立てました。

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