着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

子供用着物

十三参りの女の子着物


皆さんに、よく知れ渡っている子供の時の着物を着用する行事は、赤ちゃんが産まれて、直ぐの行事 お宮参り、次に、女の子は三歳と七歳の時、男の子は五歳の時の行事の七五三参り、そして、二十歳の成人式です。
関西では、これら行事のほかに七五三の後、男の子 女の子が十三歳の時の行事、十三参りというのがあります。
お宮参りと七五三参りは、神社=神式の行事ですが、十三参りは、寺院=仏式です。(この日に自分が生涯使う数珠を買ってもらいます。)
男の子 女の子が、十三歳の時に日本三体菩薩の一つ、虚空蔵菩薩(知恵と福徳の仏様)の縁日、三月十三日にお寺にお参りします。
その十三参りの女の子の着物を仕立てました。
今回のお着物は、白地の縮緬地にせせらぎが流れる様子の観世水文様に、日本人が慣れ親しんだ春の桜、秋の紅葉を合わせて桜楓文様で型染め友禅した子供用小紋着物地です。清流を桜の花やかえでが優雅に流れている様子を表現しています。
仕立てについてですが、十三参りで着用する着物の仕立て方は、七五三までの子供用着物の仕立て方ではなく、大人の着物の様に身頃を左右二枚、背縫い、袖丈も身長から割り出し、身丈・裄丈は、ほとんど大人用と同じ仕立て方です。
本身裁ち(大人用の仕立て方)
十三参りも今は振袖が主流になっておりますので、袖丈を長めにして仕立てております。
着物全体も小紋柄ではありますが、振袖調の絵羽柄合わせ風に清流を桜の花やかえでの葉が優雅に流れている様子を表現してみました。
身丈・裄丈は、ほとんど大人用と同じ仕立て方ですが、まだ十三歳の子供なので肩揚げはして、丈は腰紐で、おはしよりをして着付けます。
初めて着用する大人用着物、初めての本身裁ち仕立ての着物、初めて尽くしで『本身祝い』といいます。

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