着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

目に優しく映る絞り染め訪問着の仕立て


絞り染めの持ち味を生かした目に優しく映る柄ゆきの逸品です。素敵な訪問着です。
四十代まで、お召し頂けるのではないでしょうか。古典柄の格調高い訪問着は、お目出度い結婚披露宴に重宝しますが、パーティーなどのお招きを受けたなら、楚々とした雰囲気の訪問着を装いたいものです。

今回、仕立てました、この訪問着はパーティー用に最適です。自分をさり気無く装うのも、パーティー用の訪問着の特徴です。目に優しく映る絞り染めで描かれた日本の庭のある風景。季節は、七~八月の庭の籬マガキに絡まる朝顔を題材としています。控えめな藤色フジイロから漂う凛とした高級感のある柄ゆき、色留袖とは、また別の品格を感じさせます。藤色とは、桔梗色キキョウイロを薄くした色の事をいいます。胸元から前身頃、衽、後身頃へと続く、絞り染めでデザインされた、そんな訪問着を仕立てました。袖に柄が後と前袖にデザインされています。身頃との繋がりは、袖付けにはありません。
和裁には、右後、左前という言葉があります。袖の柄で大小がある場合、右後に大きな柄、左前に小さい柄を置きます。これは、茶道をされる時、右後が、よく見えるからと言われています。

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