着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

花尽くしの振袖の仕立て


成人の日に、着用する振袖は、その御両親と娘様、双方に感謝を伝える心温まる役割を担っています。
御両親が娘様の誕生に感謝。
二十歳の今まで、娘さまが 無事に成長してくれたことに感謝。
ご両親がその成長を見守り、支えてくれたことに感謝。
そして、これからの娘様の将来の幸福への願い。
着用する者が、今まで支えてくれた方々に幸せのメッセージを伝えること。その為の振袖、そんな今回の振袖に描かれた文様は、花尽くし文様です。

多種の花たちが、楽しく競い合い、可憐で花々しいところが、見る人も幸せにしてくれます。
黄色系の地色に、花尽くしの文様を散りばめられた振袖は、現代の技法、シルクスクリーン法で文様の描き方、色付けの一例になります。
メインの柄位置になる上前身頃には、金の刺繍の小槌の下、赤色の花弁を金彩加工で縁取った、それと同じく赤に桃色のボカシの牡丹がメインの柄になります。その周りを 様々な形の桜 菊 その他 亀甲花菱 青海波 七宝輪違い 丁子なども、メインの柄は私たちと主張している様に思えます(笑)
花々に包まれた文様の振袖は、その可憐な形と 愛らしく、生命力に溢れたところから、お目出度い喜祥文様の意味を担っています。

仕立てに関しては、一番気を使ったのは、柄合わせです。
この花たちの柄模様がおかしくならない様にする為、身巾に支障が出ない程度に広げ、柄模様が綺麗に合う様に仕立てています。

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