着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

春待ち振袖の仕立て


成人の日のお祝いの晴れやかな装いには、皆さん様々な思いが込められていると思います。綺麗で健やかな娘の成長を喜ぶ両親の心、親子は言葉にしなくても娘の瞳を見れば分かり合える、娘の感謝の気持ち、そんな思いが込められていると思います。

今回の振袖は、手描き友禅染めで、枝垂れ(シダレ)梅を着物全体に胸元から裾まで、流れるように描かれています。
身頃の裾、袖の下に紺色のボカシが静かにジッと春を待つ印象に役立っています。上前衽裏(ウワマエオクミウラ)のワンポイントの柄も目を引きます。この枝垂れ梅は、春浅い柔らかく、弱い光の中で甘い香りを漂わせています。遠目から着物を眺めるとほのかな梅色。清楚でな光沢、物静かな色調の振袖です。

仕立てについてですが、袖の長さも、身長に応じて、長からず、短すぎず、丁度良い袖丈に仕上げています。身巾、裄丈も、希望通りにキッチリと仕立てました。着易いと思います。
成人の日の集まりの中、梅色が優しい香りを際立たせ着映えする一枚です。

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