着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

型染めの江戸小紋の仕立て


型染めの着物は、型紙を一枚から、数百枚の型紙を使って着物を作ります。
今回の着物は、たった一枚の型紙から作られた究極の型染め着物、江戸小紋着物を仕立てました。

江戸小紋は、遠目からは一見、色無地着物と見間違えるほどの微細な模様の着物です。
江戸小紋の製作は、型紙彫刻師(和紙(美濃紙)を柿渋液で加工した渋紙を使って、彫刻刀で細微な模様を彫ります。)と、染め師(その型紙を使って、白生地に染める)がお互いの技を引き出し合って作り出される着物です。

江戸小紋はその名の通り、江戸時代に考案されました。その時代の武士の裃(カミシモ)が起源と言われています。裃を身につけることの出来なかった庶民のために考え出された着物です。伝統的な微細な極小模様を今風の色合いで染めることで、その洒脱な味わいは、現代のお洒落な型染め着物として人気があります。

今回のこの着物は、錐彫り(キリバリ)で彫られた大小の霰(アラレ)のデザインに、似紫色(ニセムラサキイロ)に染められています。
仕立てについてですが、お客様の体格に合う様に、身巾、裄丈を考え、また、着くずれし難い様に衿下の長さも調整し、細々と工夫をして仕立てをしております。表地の雰囲気を壊さないように、裏地の八掛けは同系色の濃淡のぼかし八掛けを付けました。

気軽にお食事会、お茶会などに着て頂けます。

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