着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

菊の花の訪問着の仕立て


うららかな暖かい陽気の心地良さに誘われて、着物の装いのお出掛けに菊の花の匂い立つ訪問着を仕立てました。

菊の花を染めや刺繍、織りで表した着物は古くから種々あります。今回の着物は、華麗なる金彩加工を施した友禅染めの訪問着です。この訪問着は野山を思わせる草木色の地色に、小川を流れる菊の花を友禅染めで表現しています。水の音か聞こえてきそうな小川、水面を流れる野菊の花をさり気なく、そして、美しく表現しています。

今回の訪問着の仕立てで注意するところは柄合わせです。柄は全て合う事が理想ですが、身巾や裄によって合わないことがあります。その場合、背中心・衽・衿の柄は合わせてその他は少しずらす事になります。最近は裄の長い方が多く、袖付けの柄がズレることが多いのですが、今回の訪問着は裄の柄も綺麗に合って、理想的な柄合わせになりました。

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